静岡県知事候補 溝口紀子さんから回答が来ました。連日の選挙戦。お忙しい中ありがとうございました。参考にさせていただきます。
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2017年静岡県知事選挙候補者 溝口紀子 様
私達は、子育て中の母親です。命を生み出し、育むことによって生きることの素晴らしさを体感しています。2012年、原発県民投票の時に県会議員さん達に応援のお手紙を書こうアクションをしたのがはじまりです。県会議員の方達の事務所にドキドキしながらアポを取り、いろんな事を教えていただいたのはついこの間のことのよう。それ以来、「聞く」「伝える」事の大事さを知り、国政選挙のたびに、候補者の皆様に母親達が聞きたいことを公開質問状にして、ブログで発信しています。
子どもを持つ前は少し遠かった「政治」の事も、私達の生活に密接に関係している事も感じています。特に県政においては子どもの教育や災害対策など本当に身近な政策が未来につながる事が多く、今回の知事選も候補者の皆様が何を想い、何を実現させて行きたいのか。とても興味深く感じています。
誰に投票し、私達静岡県に住む私達の意見を反映した政治をやっていただくのかは、子ども達への未来のプレゼント。今を生きる母親達が関心を持っている事を、今回公開質問状にしてみました。
お忙しい中恐縮ですが、私達が責任を持って投票を行えるよう、公開質問状への回答をお願いします。
ママアクション静岡
「お母ちゃんたちの公開質問状実行委員会」
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質問1 政治を行う上での優先順位を教えて下さい
県政で一番重要だと思う順番に並べて下さい
①命の安全&健康 ②経済 ③環境 ④インフラの整備 ⑤国や市町とのバランス感覚
★回答
実はすべて関連していて順番はつけられませんね。
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質問2 周産期~5歳頃までの支援について教えてください。
施設不足、自分の雇用問題、生きがいをどこに感じるかなどで、静岡県で安心して子どもを産めるかというと、決してそうとは言いきれません。産んでからは、流行りの言葉で言うと「ワンオペ育児」と言った、子どもと一対一の閉じられた空間の中孤独を感じてしまったり、待機児童問題など、母親達の悩みは尽きる事がありません。この時期に県が考えるべき支援を教えてください。
★回答
基本的な考え、事情が許せば子供は三歳まで母親(父親)の元、家庭で育てることが望ましいと思います。三つ子の魂百までというのは、まさに先人の尊い教えだと思います。現実には、経済的理由から、それが出来ないことは十分理解しています。もちろんイクメン必要です。
①産む施設の充実
詳しく→
★回答
全国的に産婦人科医の不足が問題になっています。女性十万人当たりの産婦人科数は、静岡県は全国32位です。子供を出産したくても生む病院が地域にない出産難民も増えています。
極端な少子化という流れを食い止めるためにも、産婦人科医の養成、増加は、国家レベルの課題だと思います。もちろん県としても、浜松医科大学、医師会と協力をして産婦人科減少に歯止めをかけたいと思います。残念ながらすぐに解決できる問題ではありません。
出産難民の手助けとしては、助産師会とも連携し、医師立ち合いの助産師による出産への支援も考えていきたいと思います。
産む施設の充実という面では、最近豪華な個人経営の産婦人科医院が増えてきています。無産婦人科医市町への産婦人科医院開設については、それなりの助成を市町と連携して実施します。
②親への心と経済的ケア
③待機児童問題の解決
④各市町とどのような連携をして行きたいか
★②③④まとめての回答
三問とも市町との関連は欠かせませんし、どちらかというと、直接的には市町が中心となる事業ですので、まとめて回答します。
私も子育て中なので、子育ての楽しさと大変さは十分理解しているつもりです。
親の心のケア、これは各県、市町で濃淡はありますが、妊娠中、出産後の健診の際に、保健師、助産婦、ママヘルパー等による相談事業が実施されています。国の妊娠出産包括支援モデル事業を参考に、県としてさらに充実させます。私は同世代のお母さん方との交流が、子育ての不安解消に大変役立った経験があるので、お母さん方によるサークルの育成を公的に支援する方策を行います。
経済的支援については、本音では、高校まで、子育てに関する費用はすべて公的に負担することが、私の理想です。県の財政の中で、全国の例を調査したうえで、静岡県の人口減少に歯止めがかけられるレベルの支援策を提案していきます。
待機児童の解消については国もようやく本腰を入れています。保育所やこども園の定員増に加えて、保育士の待遇改善も、県として取り組むとともに、市町にも働き掛けます。また、市町間の格差をなくしていきます。
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質問3 小中学校の教育問題について教えてください。
各市町で、静岡県の事を知る教育や、地産地消給食などいろいろな工夫が感じられていつも感謝しています。ただ、母親の立場からは、どこまでが県でどこまでが市町なのかはっきり分からず、疑問に思っても窓口すら分からない事が多々あります。特に、給食問題は、県の学校給食会があったり、市の学校給食会があったり、政令指定都市と一般の市町とでも差があったりと、子どもの体を作るものに私達母親も参加して行きたいのに、管轄が分からないという問題があります。中学校にあがって運動部に入ると、市の大会、県の大会と進んで行くのですが、指導法もさることながら、豪雨の中の大会への有無を言わせぬ参加など切なくなることがたくさんあります。県ではどのように指導したり、市町との連携を測っているのでしょうか?
①静岡県を知る教育では、どのような学習が望ましいと考えますか?
★回答
県内各小中学校で、各市町独自の教材を使って、郷土学習をしています。また社会科の学習の中で、静岡県の特色、産業などについて学習しています。しかし、静岡県を知る教育としては不十分だと思います。窮屈なカリキュラムに入れてもらえるかは断言できませんが、社会科や郷土学習の補助教材として、仮称「富士の国学習帳」などを県が発行して、ふるさと静岡県を知る教育を充実させます。
②県の学校給食会と、市の学校給食会の二重構造はどう考えますか?
★回答
市の学校給食会は、私の知る限りでは、浜松市と沼津市にあると思います。いずれも県の学校給食会の支部で、独自の活動をしていても、基本的には二重構造ではないと認識しています。なお学校給食会は前後食糧事情が不安定な時期に、子ども達のために、安全な主食等を確保する目的で設立されたもので、この食料が豊富で、多くの選択肢のある現在はその存在理由はかなり希薄になっています。
③学校給食の食の安全についてありましたら教えてください。
★回答
学校給食法、食品安全基本法、食品衛生法に基づいて、各市町がしっかりと取り組んでいますので民間委託を含めて心配ないと思います。最終的には指導する栄養士、調理担当者の、食品への高い安全意識の保持だと思います。
④学校の先生方、部活動の顧問になる事によってご自分のご家庭は大丈夫なのだろうか?ご自分のお子さんと向き合う時間あるのだろうかと心配になる事が多々あります。教員の勤務体制について配慮がありましたら教えてください。
⑤特に運動部や、吹奏楽部などの活動が盛んな部活動への改善点や配慮がありましたら教えてください。
★④⑤まとめての回答
部活動をやりたくて教員になった先生方もいます。私が中学、高校で指導を受けた先生方は、そういう先生方でした。そういう先生には今後とも頑張っていただきたいと思います。静岡県の公立高校が私立高校と互角に勝負しているのは、そういう先生方のおかげです。もちろん部活動手当は増額する必要があります。心ならずも指導している先生方、専門外の種目を指導している先生方、大変だと思います。
今文化・スポーツは部活動中心から民間クラブ中心に変わりつつあります。しかし、民間のクラブに入るのは費用がかかります。また、指導者には高い専門性が求められます。そこで学校の部活動、特に運動部、吹奏楽部には、現在も一部行われていますが、公費での指導者派遣を、さらに増やしていきたいと思います。
⑥学習面や精神面での行いたい支援がありましたら教えてください。
★回答
特になし
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質問4 貧困問題について教えてください。
6人に1人が貧困と言われる現代、しかしこれは全国的な数値であり静岡県内での貧困指数はどうなっていると把握されているのでしょうか。子ども達の中にも表面化しない貧困があり、片親家庭への心身の支援が行きわたっているか疑問を感じる事があります。どの子も生きていける静岡にする為に考えられる具体的な貧困対策がありましたら教えてください。
★回答
子供の貧困問題は社会問題化しています。テレビ等でも実態が放映され、私も心を痛めています。自由主義経済である限り貧富の差はやむを得ません。しかし親の経済の状況によって、子どもが教育の機会を失うことは、あまりにも理不尽です。ここはなんとしても公的支援を、国、県、市町の段階できちんとしていけるようにしたいと思います。
なお高校までの教育費無償化は大賛成です。
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質問5 学童保育について教えてください。
保育園の待機児童問題からの続きになりますが、学童期の待機児童問題も深刻です。県として考える対策がありましたら教えてください。
★回答
放課後児童健全育成事業は、基本的に事業主体者は市町または民間事業者になりますが、県としても、保育所の待機児童解決策同様、待機学童0に向けて、学童保育所の内容、時間、担い手などを改善するなど市町と連携し支援していきます。
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質問6 性的マイノリティについて
6月1日より札幌市が性的マイノリティに係るパートナーシップの宣誓制度を政令指定都市として初めて開始し、既に(現段階6月1日12時現在)16組の宣誓書の受領証交付が行われました。
LGBTの方の割合が左利き人口と同じともいわれる現在、教育現場にも理解の必要性が求められています。
今後教員への研修など具体的な対応として何か検討されているでしょうか。
★回答
この問題は、まさに人権にかかわる問題です。静岡県の公教育においては残念ながら、まだ正式なカリキュラムとしては取り上げられていないと思います。民間レベルで様々な取り組みがなされていることは承知しています。私は、中学校・高等学校の教員への研修、生徒への指導を、県として取り上げていきたいと思います。
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質問7 大規模災害にあわれた地域の復興について教えてください。
東日本大震災、熊本地震。最近あった二つの災害は、私達母親の心を大きく動かしています。まだまだ復興と中の地域への支援、また、復興途中の地域から学んでいる事、静岡県ではこうして行かないといけないと感じている事など教えてください。
★回答
被災地への支援は、現在も県、各市町、民間レベルで様々な活動がされています。県としての職員派遣、復興支援はもちろん今後とも継続していきます。また被災地の中高生を招待して、県内の学生と交流させ、被災地から学ぶ取り組みもしていきたいと思います。また、県のボランティア協会と連携して、完全復興まで、静岡県からのボランティア支援も継続させたいと思います。
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質問8 エネルギー対策について教えて下さい
2011年5月に浜岡原子力発電所は停止したまま、きちんと電気の使える生活を送ることが出来、「原発はいらなかったんだ」という確信を得た私達です。子ども達へ出来るだけ負の遺産を残したくありません。そこで、質問です。
①原発の安全性を確認しつつ出来るだけ早く再稼働したい。
②気候に恵まれた再生可能エネルギーの比率を増やし、停止を続けたい。
③気候に恵まれた再生可能エネルギーの比率を増やし、廃炉にむかいたい。
★回答は②③です。
質問8で②と③の方に質問です。
どのような再生可能エネルギーが静岡県に合っていると思いますか?また、今ある原発の中の放射性物質の処理はどうしていけばいいと思いますか?
★回答
ふさわしい再生可能エネルギーは、まず日照時間の長い静岡県では太陽光発電が第一だと思います。第二は、水資源が豊かで、傾斜地の多い中山間地域の小水力発電が有効だと思います。遠州灘、あるいは、北遠の中山間地域では風力発電も期待できると思います。
現在ある原子力発電所の放射性物質の処理については、世界中の原子力利用、放射能研究の学者が、必死で処理法を研究していると聞いています。かなり短期間で安全に処理できる方法の開発も時間の問題ではないかと思います。人類の叡智に期待します。そのためにも原子力発電を含めて、原子力の平和利用を全面的に停止しては研究が進まず、研究しようという学生も集まりません。その意味では研究のための原子力発電は必要だと思います。
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質問9 国政では立憲主義に反する政治が行われているといわれていますが、あなたは立憲主義を守る政治を進めていきますか?
★回答
憲法を順守し、立憲主義に基づいた政治を行うことは当然のことです。しかし、憲法は未来永劫に変えてはならないというものではないと思います。新憲法制定後、七十年以上が経過し、現実と整合性のない条文も出てきます。憲法の規定に基づいた、十分な国民議論を経たうえでの憲法改正には、反対ではありません。
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質問10 私達母親に対して、是非PR&メッセージをお願いします
私達にメッセージをください。今までの実績、自慢もききたいです。子育て論、教育論も教えて下さい。そして、もっともっと候補者の方の事知りたいし、対話をしたいです。
★回答
選挙公報をぜひ読んでください。私は九歳の子どもを持つ、シングルマザーです。子育て世代のお母さん方の味方です。というより、子育てお母さんそのものです。なんとしても子育てのしやすい、全国から注目され、だから静岡県に住みたいと思わせる静岡県にしたいと思います。
さらに、教育立県、行政と親と先生が一体となって、未来の静岡県、日本を背負う子ども達を、いじめのない温かい雰囲気の学校で、すくすくと育てていける県にしたいと思います。
私は静岡県で生まれ育ち、働き、今子育てをしています。静岡県を思う気持ちは誰にも負けません。みなさんとともに素晴らしい静岡県を作っていきましょう。
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(ひろみ)
Posted by ママアクション2014-2015